石川県地球温暖化防止活動推進センターの推進員の紹介、活動報告など。

将来世代への責任が問われています

 今年も世界各地で気候変動の影響と思われる異常気象が頻発しました。IPCCの1.5℃特別報告書(2018年発表)では気候変動の脅威が記され、より強い気候対策を訴えるFridays For Futureの活動も世界中で広がっています。将来世代にはより深刻な脅威が予想され、世代間の衡平性も問われています。
 この特別評価報告書では、技術革新、制度・政策・金融の改善等と並んで、人間の行動様式やライフスタイルの変化が、1.5℃以内の温暖化への実現可能性を高めるとされています。
 そこで、当報告書などで記されている情報ととともに、北陸の地域特性を活かした低炭素なくらしを、体験型プログラムを通してお伝えする活動を行っています。

身近な食と水に注目。地域資源に解決策がある

 良質な地域資源の活用が、低炭素なくらしにつながります。食の省エネのシリーズでは「地元の旬の材料を食卓に」というメッセージとともに「おいしい省エネ体験」を共有しています。地産地消によって輸送に関わる環境負荷が低減されます。伝統食は風土や文化とも密接な関係があり、精神的な豊かさも同時にお伝えしています。
 夏季には太陽の恵みを活かしたソーラークッキング講座。NPOエコラボメンバーとともに大型クッカー数台を駆使して「おいしい自然エネルギー体験」をします。手作りのソーラークッカーは1時間ほどで作れ、キッズに人気です。ソーラークッキングは被災時の安全な食の確保にも有効で、地域防災組織との連携でも普及しています。
 また、近年注目されている海洋プラスチック問題に対しては、「ペットボトル飲料から、いしかわの水に」とエコ茶会を開催、北陸の水道水のクオリティーの高さ、水道水利用による環境負荷低減効果をお伝えするとともに、水資源を活かしたまちづくりの事例を紹介しています。
 石川県も水資源を活かした魅力的な地域にしたいものです。現在、まちなかにマイボトルに給水できる給水スポットの調査とマップ化を進めています。

マネージメント思考をくらしに

 エネルギー消費削減のプログラムでは、企業などが実践しているマネージメントシステムを、くらしのなかでも運用することを提案しています。エネルギー使用量を数値で把握、環境負荷の大きな分野を重点的に、効果があがる省エネ計画を考えます。省エネ家電やスマートライフ等の情報も提供し、継続的な行動につながるよう支援しています。
SDGsの目標13では、「気候変動に具体的な対策を」行うことを明示しています。環境学習はSDGsのその他の目標にも関連が深く、今後様々な分野の方々のご協力をいただきながら、活動を深めて参りたいと思っています。

NPOエコラボ、Refillいしかわ・金沢 代表
環境カウンセラーズ石川 副会長
KES北陸環境機構 主幹審査員
平成20年度 経済産業省主催「省エネコンテスト」家庭部門 経済産業大臣賞受賞

主な環境学習プログラム紹介

気候変動とクールチョイス

  • 気候変動の今を伝える
  • 家庭の省エネ診断
  • ソーラークッキング
  • エネルギーを見てみよう(ジュニア・中級)
  • グリーンカーテンの育て方と夏の省エネ
  • DIY窓断熱と冬の省エネ
  • パソコン快速化!
  • エコドライブ入門

食の省エネ

  • フードマイレージ・ダイエット
  • 金沢の伝統食,発酵食クッキング
  • 食べ物をムダにしないキッチンマネージメント
  • サルベイジクッキング
  • オールお米でホームパーティー

資源循環・廃棄物発生抑制

  • はじめよう!プラスチックフリーなくらし
  • エコ茶会・お茶をいれてペットボトルを減らそう
  • 給水スポットマップ制作
  • ごみゼロの日*サザエさん流ごみゼロアクション
  • 蜜蝋ラップ作りワークショップ
  • プラスチックフリー・マーケット
  • 地域資源でスマートコンポスト
  • 米ぬかぼかし作り
  • 草木染エコナプキン

2018年度実績 70件 1,897人に普及活動を実施した。

令和元年度第1回研修・交流会を、石川県地場産センターを会場にして開催しました。
当日は富山県から24名の推進員を迎え、三部構成で、企画、和やかな雰囲気の中で、まず、第一部 いしかわエコハウスにおいて北谷会長から、エコハウスの概要説明があり、自立循環型エコハウスを見学してもらいました。

第二部は場所を移して地場産センターで石川県の推進員四名が活動発表をしました。
荒木 真由美さんからは「フライブルグ研修から学んだこと」
須崎秀人さんは、「どう推進員活動を展開すれば“できる”のか」
橋本 忠さんは、「タンザニアでの市民発電事業に携わって」
林 貴江さんからは「石川県生活学校連絡会で食品ロス削減の取り組み」について、それぞれ日頃の地球温暖化対策の事業として専門性を活かした活動の紹介がありました。

富山県センターからは、二名から活動の紹介がありました。
伊藤 理恵さんは、「はじめてのエコライフ教室」
田辺 聡彦さんからは、「とやま環境チャレンジ10事業」を紹介していただきました。
県内の10歳の児童(小学4年生)を対象に、エコライフの理解・実践・定着を図ることを目的に、小学校に地球温暖化防止活動推進員を派遣して授業を行なっているとのことでした
また、幼稚園や保育園には幼児期から家族ぐるみでエコライフの理解・実践定着を図ることを目的にして、わかりやすく紙芝居などで「エコライフ教室」を実施しています。

第三部は、ランチタイム交流会になりました。美味しい食事をとりながら両推進員がお互いの活動を話題にし、花を咲かせていました。
 
早朝八時に富山を出発され、短い時間に見学・研修・交流とハードなスケジュールでしたが、午後は希望のあった夕日寺健民自然園を訪れ、森永園長の案内で園内を散策され、ふるさと館では、園長から里山の自然体験活動が二一世紀を担う子供たちや、若者たちに、将来、困難な場面に出会っても、体験したことが必ず役に立つとのお話に参加された方々は皆同様にうなずいていたのが印象的でした。
外に出たら朝からのどんよりした空が一面青空に変わっていて、茅葺屋根を一層美しくしていました。

令和元年11月14日(木)~15日(金)に、福井市総合ボランティアセンター研修室で開催された令和元年度中部ブロック推進員合同研修会に参加しました。

 「推進員と地域センターがコラボしてやれる事業を企画しませんか」が今年度の研修テーマです。


 2030年の家庭部門40%削減を現実のものにSDGsを意識した展開を進めるため、推進員と地域センターが協働で進める事業の立案をグループワークで行うことによって、推進員と地域センターの協働事業についての課題と可能性を認識する。というのがメインテーマです。

1日目には基調講演として「いいね!が広がる温暖化防止活動」と題して、京都府地球温暖化防止活動推進センター事務局長 木原 浩貴氏の講演を拝聴しました。
その後情報交換会が催され各地域の貴重なお話を聞くことができました。

 2日目メインテーマのワークショップが実施されました。
各県の代表の発表があり、次のようなメリット及び問題・課題が提起されました。
メリットを数件挙げると,市民ニーズを把握することができる。地域や関係団体への波及効果が生まれる。地域に根差した活動により地域のつながりが強まる。費用・人員面で効率的に事業を行うことができる。等々です。

 問題・課題についてはセンターと推進員の意見調整や合意形成が難しい。センターの意向を十分に反映できない。自立性・継続性に欠ける。事業の成果や課題が次につながらない。 等々でした。

各県様々な活動や想いを感じることができました。

また、今年の中部ブロック推進員合同研修会は石川県開催の予定であり、ホスト県としてどのような事を行えばよいか理解できた。今回も良かったのだが、よりよいものにしようと思います。

報告者
石川県地球温暖化防止対策活動推進員連絡協議会七尾支部
七尾支部会長 飛田 とし子